■宇宙誕生の秘密
宇宙は、137億年前に「無」の状態から突然誕生しました。
何故、「無」の状態から宇宙は誕生できたのでしょうか?
この疑問は、「トンネル効果」によって説明できるとされています。
「トンネル効果」とは・・・
簡単に説明すると、通常高い壁が立ちはだかっていた場合、その壁にいくらボールを投げ続けても、壁が壊れない限りは壁の向こう側に到達することは 出来ません。
これは、人間の常識と合っているため、皆さんも納得出来ると思います。
しかし、量子力学の世界の考え方では、
壁にボールを投げ続けていれば、超低確率で壁の 向こう側へ到達することがある
と言われています。
これは、ある場所に存在する物質の存在確率が100%ではないため、と考えられています。 すなわち、壁の向こう側に存在する確率の波があるから、という考え方になります。
この考え方により、「無」の状態から突然宇宙が誕生した、ということが説明できるようです。
さて、話を戻しましょう。
137億年前に誕生した宇宙は、物質が「相転移」を起こし、大量のエネルギーを一気に宇宙に充満させました。
※相転移とは、液体が凍って個体となるように、物質が劇的に変化すること
この「相転移」により、「インフレーション」と呼ばれる急激な膨張が発生したようです。
この「インフレーション」による急激な膨張は、「ビッグバン」と呼ばれています。
現在の天文学では、この「ビッグバン」理論によって宇宙が誕生したという説が最も支持されているようです。
■ビッグバン
ビッグバンが発生した宇宙は、膨大なエネルギーと物質を生み出し、超高温で超高密度の宇宙となったようです。
この超高温宇宙は、最初の100秒間で1億度の温度となり、宇宙に様々な元素を発生させました。
初期の頃の宇宙は、現在よりも急激に膨張したと考えられています。
そして、その後膨張により超高密度ではなくなった宇宙は安定期を迎え、現在の膨張速度になりました。
ちなみに、何故膨張していることが分かるのか?
それは、観測されている銀河がどんどん離れていることが判明したからです。
「ビッグバン」という考え方は、1947年に「ホイル」という天文学者が提唱しました。
この「ビッグバン」理論は、20世紀前半まではバカげた考え方であると信じない学者が多数派だったようです。
しかし、現代ではこの「ビッグバン」理論が多くの学者に支持され、立派な理論として認められているようです。